Research

当研究領域では、材料化学に立脚した、精密な構造・物性解析に基づいた構造ー機能相関の確立、およびそれらをベースとした機能性材料の創製を目指しています。無機化合物や有機ー無機ハイブリッド材料を中心とした新材料創出、機能性開拓が我々の目指す研究成果です。

主な研究目的:

  • 元素や分子の特性とマクロな物性の関係解明
  • 精密な化学設計による新規材料創出
  • メソ〜マイクロスケールにおける構造制御およびそれらを活用した熱、光、電気機能材料の実現
  • 新しい材料による光、電気デバイス用材料の確立

新規機能性有機ー無機ハイブリッド材料の創製

有機物質と無機物質を複合化することにより、それぞれの材料の持つ特性を相乗的に活用した機能性材料の創出を目指しています。主に、酸化物ネットワークを有機官能基で修飾したオリゴマー/ポリマーからなる非晶質物質を中心に研究を行っています。
ゾルーゲル法を基盤とした「無溶媒合成法」を中心とした合成方法を開発し、有機修飾酸化物あるいは「酸化物交互共重合体」(有機修飾された酸化物基本ユニットが交互に配列した高分子)による機能開発を進めています。現在までに、酸塩基反応やアルコール縮合を用いた無溶媒合成法を確立してきました。
無溶媒合成法は、濃厚な反応系による高収率、優れた再現性が得られるだけでなく、簡素な塗布行程などの実用上の利点も多く、実用上も重要な合成手法です。

現在までに、材料合成法として酸塩基反応[JNCS, 2002など]や無溶媒アルコール縮合[J. Mat. Res., 2005など] を報告しています。
また、新規材料としては、熱軟化性ハイブリッド(鉛系低融点ガラス代替材料) [Chem. Mat., 2006など]、光硬化性低損失シロキサン(光導波回路用材料)[J. Mat. Res., 2005など]、特異な温度光学特性を示す有機修飾シロキサンージルコニア複合材料 [Appl. Phys. Lett. 2005など]、マイクロキャビティ修飾用希土類含有ケイリン酸塩材料 [Appl. Phys. Lett. 2005など]、光ー熱加工性を有するケイリン酸塩系材料(再書き込み可能なホログラフィックメモリー材料) [Appl. Phys. Lett. 2005]等を報告しています。

research_image01

低損失有機シリカにより形成した光導波路
フッ素化などの特殊処理をすることなく、0.3dB/cm以下の伝送損失を実現できる

research_image02

有機色素含有ケイリン酸塩材料 レーザ光の照射条件により屈折率変調構造を書き込み・消去できる

自己組織的な高次構造形成と機能化

フォトニック結晶やプラズモニクス、近接場光の発展により、光集積回路などに要求されるナノ〜マイクロ領域の加工に対する要求が高まっている。
特に、基板状への微小三次元構造体を自己組織的に構築し、既存のリソグラフィープロセスと融合して集積デバイスを作製できれば光機能性デバイスの大幅な機能向上が実現できる。
また、メソ構造とマイクロ構造を両有する高次構造材料は、メソ空間を 機能性物質による修飾することにより機能性発現場として利用できるだけではなく、マイクロ空間を光波制御として用いて光と物質の相互作用を向上することができる。
そのような高次機能材料の実現を目指し、自己組織的な高次構造の形成手法の開発およびそれを用いた機能性材料の創出を目指している。

ゾルーゲル法により作製したコーティング中の光活性化過程を制御することにより、自己組織的なマイクロ構造を酸化物薄膜に形成できることを見いだし [Adv.Mat. 2007]、既存のリソグラフィーとシームレスに融合することに成功した [JSST 2008]。
現在は、メソ構造とマイクロ構造の高次構造を光誘起により形成することを目指して研究を進めている。

光誘起自己組織化によるマイクロ構造形成

光誘起自己組織化により形成した二次元フォトニック構造チタニア薄膜

高Qキャビティ構造による光と物質の相互作用の向上と機能化

フォトニック結晶やマイクロキャビティを作製し、表面を我々の開発した材料により機能化を行い、高感度センシングデバイスや非線形光学デバイスへの応用を目指して研究を進めている。 [Appl. Phys. Lett. 2005, 2008]

Er含有ケイリン酸塩系薄膜により表面機能化した枝付きシリカ微小球(北海道大学電子研・竹内先生のグループとの共同研究)