研究内容

ヘテロナノ構造を利用したエネルギー材料の創製

物質をナノメートルスケールにすることで発現する特異な性質に着目しています。

同じ物質でも単にナノメートルサイズまで小さくするだけで、従来の大きなスケール(バルク)では見られなかった性質が現れることがあります。 また、複数の異なるナノ材料を組み合わせることで(ヘテロナノ構造)、さらに多様な機能の創出が期待できます。

ナノ構造を構築するための基本の構成要素として有機分子や無機物のナノ粒子やナノシートを準備し、 これらを積み木細工のように組み上げていくことで新しい材料を創製します。

特に、太陽光や熱などを用いた再生可能エネルギー作るための材料や、2次電池などエネルギー安全に貯蓄するための材料の研究に注力しています。 下記にふたつの代表的な研究テーマを紹介します。

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(1)分子配列の精密制御とナノヘテロジャンクションの構築

クリーンで再生可能なエネルギー源として太陽光を利用した発電の普及拡大が強く望まれている中、 ありふれた元素からなる材料を用いて簡便且つ低エネルギープロセスにより高性能なエネルギーデバイスを創出することは持続社会を支える重要な研究課題です。

本研究テーマの目的は、光を電気に変える光電変換機能の創出を狙いとして、電子供与性(D:Donor)分子のカラムと電子受容性(A:Acceptor)分子のカラムが ナノレベルで相互介入した分子集合体、すなわち“分子ナノヘテロジャンクション”を構築し固体基板上に配列させる技術の確立することです。

D分子(またはA分子)カラムからなる多孔性チャネル構造を形成したのち、細孔中にA分子(またはD分子)を導入し、階層的に相互介入構造を構築する手法を検討します。 安定な多孔性チャネルを構築するために、分子が自発的に集合する性質(Van der Waals力)及び種々の化学結合(共有結合、配位結合、水素結合)を駆使すると共に、 穏やかな条件下で効果的に自己集合を生じさせる溶液プロセスを適用します。

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(2)分子性フレーム材料を用いた2次電池の界面制御とイオン伝導体の創製

我々の生活に欠かせない2次電池(充電池)は、正極、電解質、負極から構成されています。 これら構成要素の接触状態を良好にすることが電池特性及び安定性の向上につながります。

現在実用化が進んでいるリチウム2次電池の材料としては、主に正極には金属酸化物、電解質には電解液を含浸させた有機ポリマー、 負極にはカーボン材料が使用されています。
一方で、電解質として液体が含まれるために電池パックの変形や液漏れといった問題が生じています。

電解質を固体に全固体の電池とすることで、安定性、安全性が飛躍的に向上し、成形や加工も容易になるために製造面でもメリットがあります。 しかしながら、固体で高いイオン伝導性を有する材料が少ないこと、そして固体と固体では界面接触面積が小さくなることが全固体電池の実現において大きな課題となっています。

そこで、本研究テーマにおいては材料のナノスケール化により高いイオン伝導性を有する固体を創製、 及び分子性の多孔質ナノ材料により正極活物質及び電解質の良好な界面を構築を目指します。

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